三好町のサンライズ動物病院 妊婦の方へートキソプラズマについてー

愛知県三好町
サンライズ動物病院
〒470-0207
愛知県みよし市福谷町
竹ヶ花20
TEL 0561-33-0212
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最近、“妊娠したので産婦人科のお医者さんに行ったら猫は妊婦にとって危険だから手放しなさいと言われた。”という問い合わせが急増しています。
確かに人がトキソプラズマに感染した場合、流産を引き起こすことがあります。
しかし、猫から人間に感染し流産を引き起こすのは、ごく限られた場合です。正しい知識を持って接すれば、愛猫を手放さなくてはならない事など決してありません。
原虫と呼ばれる原始的な寄生虫の一種です。 非常に小さく肉眼では見ることはできません。ほぼすべての哺乳類・鳥類に感染し、主に筋肉の中に寄生します。
トキソプラズマは決して珍しいものではありません。
本国でも成人の5~40%が抗体陽性反応を示すありふれた感染症です。
健康な人が感染してもほとんど何の症状も示さないため、通常は問題視されることもありません。
ただし、妊婦の方には、感染すると流産を起こしたり新生児に影響を与えたりすることがあるため危険な病気と言えるでしょう。
トキソプラズマは主に口から感染します。
感染した動物の肉を食たり、汚れた手から無意識のうちに口の中に侵入します。
通常はトキソプラズマに感染しても 筋肉内に寄生するだけで、食べられたりしない限り他の種の動物に伝染することはありません。 しかし猫に感染した場合にのみ、トキソプラズマは糞便中にオーシストと呼ばれる形態で体外に排出され、新たな感染源となります。体外に排出されたオーシストは土の中などに1年以上感染力を持ったまま存在します。
当たり前のことですが感染していない猫はオーシストを排出しません。
猫がオーシストを排出するのは、トキソプラズマに感染した後の1週間~3週間のごく限られた期間だけです。
つまり3週間以上(余裕をもって1ヶ月以上)感染の機会がなければ安全ということになります。普通に家の中だけで飼っている猫(生肉やネズミを食べさせていない)は安全と言えるでしょう。
逆に野良猫はネズミなどを捕食したり、土や生水と接する機会も多く感染源になる可能性が高くなります。トキソプラズマは母親から子供にうつるので特に野良猫の子猫では危険性が高くなります。
妊婦の方のトキソプラズマ症が問題になるのはその人が初めてトキソプラズマに感染した時だけです。
つまり過去に既に感染している方は既に免疫を持っており、トキソプラズマ感染の危険性は極めて低くなります。猫を飼っており心配な方は、まず(人間の)病院で自分の抗体価を測定してみてください。
また、猫だけが悪者のように誤解されがちですが、実際には猫を飼っている人と飼っていない人の間にトキソプラズマ感染症発生率に有意差はありません。
これは、日本の飼い猫のトキソプラズマ陽性率が1%程度と低いこと、
猫がオーシストを便中に排出するのは一生のうちの限られた期間だけであるからです。
飼い猫から感染するよりも、下記の事柄から感染する可能性の方がはるかに高いと思ってください。
・感染している動物(豚・牛・馬など)をよく加熱しないで食べた。
・ガーデニング・家庭菜園などで土いじりを行った。
・土のついた野菜をよく洗わずに食べた。
・湧水・井戸水など生水を飲んだ。
・海外旅行
衛生的な日本の養豚でも6.8%の豚が抗体陽性であった(2006大阪)との報告があります。 また、トキソプラズマのオーシストは水に浮くため、土中に排出されたオーシストは雨水などで流され広がっていきます。
猫に感染の可能性がある場合は動物病院で検査を受けることができます。
まず便の検査。ここで、トキソプラズマのオーシストが発見されたら妊婦の方にとって危険な状況と言えます。
しかし、前述の通りオーシストが便中に排泄されるのは、ごく限られた期間だけです。この検査で見つかることは比較的まれです。
同時に血液検査による抗体測定を行います。
陽性反応が出た場合、過去に感染したことがあり、
既にその猫は免疫を持っていることから感染源となる可能性は低くなります。
陰性反応が出た場合、10日後に再検査を行います。
もし感染のリスクが少しでもあるのなら(外に出た・生肉を食べた)この10日間は妊婦の方はなるべく接触しないようにしましょう。
再検査でも陰性とでた場合は、トキソプラズマに感染した経験がまったくなく安全と判断します。ただし、今後トキソプラズマに感染すれば便中にオーシストを排泄する可能性があるので、絶対に外に出したり生肉を与えたりしないようにしましょう。
再検査で陽性と出た場合、その猫は最近トキソプラズマに感染した疑いがあります。
便検査陽性と同様、妊婦の方には危険な状況と言えるでしょう。
何度も書きますが、飼い猫を外に出さない・生肉を食べさせないことです。
また、妊娠の疑いがある時期は、野良猫(特に子猫)を拾ってこない方が無難でしょう。
猫の便から排出されたオーシストはまだ感染能力を持っていません。
外界でさらに2~3日かけて成長し初めて感染能力を持ちます。
つまり、毎日きちんとトイレの掃除をしていれば大丈夫ということです。
(念のためトイレ掃除は他の人にやってもらいましょう。)
最後に、当たり前のことですが猫のトイレ掃除をしたり、外から帰ったら手洗いをしっかりしましょう。
最後に本ページを作成するにあたり、写真や図をご提供くださいました丸山先生、
ならびにご協力いただきました共立製薬株式会社様には深く御礼申し上げます。